個人練習の進め方・・・(基礎編)


・練習する意味
 さぁ、いよいよメインの話題に入っていきましょう。体のウォーミングアップが終わり、早速楽
器を吹き始めるわけですが、ここでも皆さんは今日の楽器の吹き味・木管楽器であればリード
の調子を確認、まぁ一種のウォーミングアップをしてから基礎練習を行いますよね?そこで、
今この練習がウォーミングアップ・この練習が基礎練習というのを明確に意識をされてい
ますか?ここに基礎練習をいかに効果的に行うかのポイントが隠されています。
 ウォーミングアップの練習メニューを作ると言うわけではなく、今、何を目的としてその練習
を行っているかと言うのを頭で明確に意識して音を出すということがとても重要になってい
るのです。
 皆さんお馴染の「ロングトーン」を例にして見ていきましょう。ロングトーン自体はただ音を一
定に伸ばすという練習ですが、この一定と言う言葉を掘り下げていくと「音程」を一定にするの
か。「音量」を一定にするのか。はたまた「音色」を一定にするのか等々・・・組み合わせは数え
切れませんが、この様に一般的に言われている基礎練習の項目の一つを更に細かく細分化
して自分が必要とされる課題を意識して練習していきましょう。勿論それぞれの課題がクリア
し始めたらそれぞれ複数の課題を同時に意識しながら練習を行っていって最終的には一つ
の練習に考えつく全ての課題を意識して行う事を最終目標として行っていきます。

・意識の方向性
 上記で方向性を述べてきましたが、大まかな意識する点は3点です。

@音の出だし(アタック)
A中間部(何て言うんだろ・・・)
B音の終わりの処理(リリース)

この3点・・・って言うか、これが全てなんですけどね(汗)
まずは@は音を出すときに爆発(出だしだけ音がでかくなる)や、出だしと出そうとしている拍と
ズレないように注意していきます。Aは音色や音程・音量など。Bは音が切れるまでAが持続
しているか、目標とする拍までしっかり音が伸ばしているか(日本人は特に音の最後が短くなる
傾向があるそうです)を意識していけば良いと思います。最初のうちは@〜Bの項目を更に細
分化して行っていき、最終的には@〜Bの項目を行ってみてください。

・主な練習
 ここでは、管理人が行ったある日の練習を一例に上記の項目の具体例を上げていきたいと
思います。
@マウスピースによるアップ 金管はバズィングと呼ばれるものです。マウスピースだけで 口の形・マウスピースの位置を確認します。各楽器のマウス ピースは種類によって多少の差はありますが、基準音があ りますので、それを目安に口を調整していきます。
Aロングトーン 楽器の鳴り加減を確認するために吹きやすい音域(大体ピ ッチB〜ローBの間)を吹きます。多少のブレは気にせずに音 をしっかり鳴らすことに意識を集中させて下さい。
B出だし練習 1拍吹いて1拍休みを繰り返し(私はひとつの音につき4回) 行います。しっかり鳴らすのを意識しながら、メトロノームの 拍に合わせる事も意識していきます。
C2度(3度)音程 「ドレドレド〜♪」ですね(笑)上記の意識は継続しつつ、最初 の音と上がった(下がった)音(特に音色)が均一になる事 を意識します。
Dタンギング 80程度のテンポで4・8・16分音符/3連符をテヌート刻む。 タンギングがきつすぎて音が揺れないことと、舌をつきすぎ て音が途切れない様に。
Eリップスラー(金管) 金管の代表的なメニューですね。基本的には3度音程の延 長線上で行い、特に拍に合わせることを大切にしましょう。
Eスケール(木管) テンボ80〜100程度のテンポで構いませんから、数個のDur を1オクターブを進行します。クロスフィンガリング(音が変わ るときにタンポを押す指と離す指の両方があるとき)等は特 にきっちり変わる事を意識しましょう。
 ウォーミングアップと基礎練習で上のメニューを1回づつやると効果的ですが、時間の無い場
合、は@〜Bをアップでやり、基礎練習で自分の最も足りない分野の練習をピックアップして
行ってください。アップも基礎練習も意識するところは殆ど一緒ですが、アップは楽器と体の調
子を本来の調子に整える事、基礎練習は自分の技術を向上させる事を意識すると良いと
思います。基礎練習は慣れてきたら様々な条件(高音・低音・フォルテ・ピアノでも出来るよう
に挑戦していってみましょう。


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